女性の薄毛と鉄分?ホルモンバランスとの関係
女性の髪は、その生涯を通じてホルモンバランスの繊細な変化に影響され続けます。そして、その変化の裏側で、鉄分不足が薄毛の悩みをより深刻にすることが少なくありません。女性のライフステージと鉄分、そして薄毛の関係を理解することは、適切なケアに繋がります。まず、毎月の「月経」です。定期的な出血は、体内の鉄分をコンスタントに奪っていきます。自覚がなくとも、多くの女性が慢性的な鉄分不足、いわゆる「隠れ貧血」の状態にあり、これが髪のパサつきや抜け毛の遠因となっているケースは非常に多いのです。次に「妊娠・出産」期。妊娠中は、胎児の成長のために大量の鉄分が必要となり、母体は鉄分不足に陥りやすくなります。そして産後、ホルモンバランスが急激に変化することで「分娩後脱毛症」が起こりますが、この時に妊娠中からの鉄分不足が重なっていると、抜け毛がより深刻になったり、髪の回復が遅れたりする一因となります。そして「更年期」。女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少することで、髪のハリやコシが失われ、薄毛が進行しやすくなります。この時期は、のぼせやめまいといった更年期症状に悩まされますが、これらの不調が実は鉄分不足による貧血症状と重なっていることもあります。ホルモンバランスの変化は避けられない自然な現象ですが、そのダメージを最小限に食い止め、健やかな髪を維持するためには、各ライフステージで自分の体が必要とする鉄分をしっかりと補給してあげることが、何よりも大切な予防策となるのです。