頭皮環境が悪い人は更年期薄毛になりやすい?
更年期に薄毛の悩みが顕著になる方の中には、元々頭皮環境があまり良くなかったというケースも少なくありません。健康な髪は健康な頭皮という土壌があってこそ育まれるため、頭皮環境が悪化していると、更年期のホルモン変動による影響をより受けやすく、薄毛が進行しやすくなる可能性があります。では、どのような頭皮環境が、更年期薄毛のリスクを高めるのでしょうか。まず、頭皮の乾燥です。頭皮が乾燥すると、バリア機能が低下し、外部からの刺激(紫外線、花粉、ホコリなど)を受けやすくなったり、かゆみやフケが発生しやすくなったりします。また、乾燥によって頭皮が硬くなると、血行も悪くなりがちです。更年期には、女性ホルモンの減少によって皮膚全体の潤いが失われやすくなるため、元々乾燥肌の人は、さらに頭皮の乾燥が進行し、薄毛のリスクが高まる可能性があります。次に、皮脂の過剰分泌です。頭皮の皮脂が過剰になると、毛穴が詰まりやすくなり、炎症を引き起こしたり、常在菌であるマラセチア菌などが異常増殖したりして、脂漏性皮膚炎の原因となります。脂漏性皮膚炎は、フケやかゆみ、赤みを伴い、進行すると抜け毛や薄毛を引き起こします。更年期には、ホルモンバランスの乱れから皮脂の分泌バランスも崩れやすくなるため、元々脂性肌の人や、間違ったヘアケア(洗浄力の強すぎるシャンプー、すすぎ残しなど)をしている人は注意が必要です。また、頭皮の血行不良も、薄毛の大きな原因となります。肩こりや首こり、冷え性、運動不足などによって頭皮の血行が悪くなると、毛根に必要な栄養素や酸素が十分に行き渡らず、毛母細胞の働きが低下し、髪の成長が妨げられます。更年期には、自律神経の乱れから血行が悪化しやすい傾向もあるため、元々血行不良気味の人は、さらに薄毛が進行しやすくなるかもしれません。さらに、長年の不適切なヘアケア(頻繁なヘアカラーやパーマ、洗浄力の強すぎるシャンプーの使用、ゴシゴシ洗いなど)によって、頭皮がダメージを受けている場合も、更年期にその影響が現れやすくなります。これらの頭皮環境の悪化は、更年期のホルモン変動と相まって、薄毛を深刻化させる可能性があります。日頃から頭皮を清潔に保ち、保湿を心がけ、血行を促進するようなケアを行うことが、更年期薄毛の予防と対策には非常に重要です。