ヘナやカラートリートメントははげない?
白髪染めによる髪や頭皮へのダメージを心配し、「はげるのではないか」と不安に思う方にとって、ヘナやカラートリートメントといった、比較的負担の少ないとされる染毛料は魅力的な選択肢に見えるかもしれません。では、これらの製品は本当に「はげない」のでしょうか。まず、ヘナは、植物「ヘンナ」の葉を乾燥させて粉末にした天然染料です。化学染料に比べて、髪のキューティクルを開く作用が穏やかで、髪内部へのダメージが少ないとされています。また、頭皮の余分な皮脂や汚れを吸着する効果や、髪にハリやコシを与えるトリートメント効果も期待できます。これらの点から、ヘナは化学染料よりも髪や頭皮に優しいと言え、頻繁な使用によるダメージ蓄積のリスクは比較的低いと考えられます。しかし、ヘナも万能ではありません。植物由来ですが、稀にアレルギー反応(かゆみ、発疹など)を引き起こすことがあります。また、染まる色がオレンジ系に限られる(インディゴとの併用で調整可能)、染め時間が長い、頻繁な使用で髪がきしむことがあるといったデメリットもあります。次に、カラートリートメントは、トリートメント成分に染料を配合したもので、シャンプー後に髪に塗布し、数分置いて洗い流すことで、徐々に髪に色をつけていく製品です。髪の表面に色素を付着させるため、髪内部へのダメージはほとんどなく、頭皮への刺激も少ないのが特徴です。毎日のトリートメント感覚で手軽に使用でき、髪をいたわりながら白髪を目立たなくさせることができます。ただし、染毛力は永久染毛剤に比べて弱く、色持ちも数日から1週間程度と短いため、継続的な使用が必要です。また、一度でしっかりと染まるわけではないため、白髪の量が多い方には物足りなく感じるかもしれません。ヘナもカラートリートメントも、一般的なアルカリカラータイプの白髪染めに比べて、髪や頭皮へのダメージが少ないため、「はげる」リスクを直接的に高める可能性は低いと言えるでしょう。しかし、これらの製品を使用したからといって、AGA(男性型脱毛症)のような進行性の脱毛症が治ったり、予防できたりするわけではありません。薄毛の原因がAGAである場合は、専門医による適切な治療が必要です。ヘナやカラートリートメントは、あくまで髪や頭皮に優しい白髪染めの一つの選択肢として捉え、自分の髪質や目的に合わせて上手に活用することが大切です。