男性の薄毛も鉄分不足が関係している?
薄毛というと、男性の場合はAGA(男性型脱毛症)が主な原因と考えられており、「鉄分不足は女性の問題」というイメージが強いかもしれません。確かに、AGAが男性の薄毛の最大の要因であることは間違いありません。しかし、だからといって鉄分が全く関係ないわけではないのです。AGAの進行を助長したり、髪全体の健康状態を損なったりする要因として、鉄分不足は男性にとっても無視できない問題です。例えば、日常的にハードなトレーニングを行っている男性は、汗と共に多くの鉄分を失います(スポーツ貧血)。また、仕事が忙しく、食事は外食やインスタント食品で済ませがちという方も、栄養が偏り、鉄分が不足している可能性があります。AGAは、男性ホルモン(DHT)の影響でヘアサイクルが短縮し、髪が十分に成長する前に抜けてしまう状態です。ここに鉄分不足による酸素供給の低下が加わると、ただでさえ弱っている毛母細胞はさらにエネルギー不足に陥り、髪の細毛化や抜け毛が加速してしまう可能性があるのです。いわば、AGAという「主犯」の働きを、鉄分不足という「共犯」が後押ししてしまうようなものです。もちろん、男性が鉄分を補給したからといってAGAそのものが治るわけではありません。しかし、髪が育つための土壌である頭皮環境を良好に保ち、髪一本一本の生命力を最大限に引き出すためには、十分な鉄分は不可欠です。AGA治療薬の効果を高める意味でも、全身の健康を維持する意味でも、男性も自身の食生活を振り返り、鉄分が不足していないか意識してみる価値は十分にあると言えるでしょう。