他人から自分の頭頂部を覗かれるのが怖い。
それだけの理由で電車の座席に全く座ることのできない友人を私は知っている。
その時は「誰も他人の頭をそんなに気にしないよ!」と言ってやり過ごしたが、AGAの男性の薄毛の悩みというのは非常にデリケートなお話し。誰の目から見ても明らかに薄毛の人に「全然ハゲてないですよ」というのも不自然だし、気まずいのでできることならそういう話題をこちら側にふってこないでほしいという気持ちもある。
私の勤めている会社にも明らかに薄毛の同僚がいるのだが、他の事では散々イジられるのに頭髪の事だけは誰もイジれない。どう見ても散髪してかなり短くなっているのに、「髪、切りましたか?」のひとことも言えない。
しかしそれもこれも、まるで重たい十字架を背負っているような本人達の毛髪に対する後ろめたそうな雰囲気がそういった気まずい空間を生み出しているのであって、他人からすれば全然たいした問題では無いのだ。
誓っていうが、電車で自分の目の前に座った人の頭頂部がどんなにきれいにハゲていようが、わざわざ家に帰って「あ~。あの人ハゲてたな~。」なんて思い返すことは無い。見た瞬間忘れているのだ。
つまり風景の一環として視界に入っているだけで、誰も気にしていないのだ。清潔感にさえ気を使っていれば、薄毛だろうと無毛だろうと他人に強烈な印象を与えることは全く無い。
女性側サイドも肥満、貧乳、毛深いなど色々なハンデを抱えて生きているのだ。私は貧乳でもVネックを着て生きていく。どうか薄毛で悩まれている方々も正々堂々と胸を張って電車の座席に座って頂きたい。